4OSME報告

9/8-9/10に第四回折紙の科学・数理・教育に関する国際会議(http://www.langorigami.com/science/4osme/4osme.php4)が開かれました。帰国してしばらくたちますがレポ。3セッション同時並行だったので見てないものは語れませんが。
とにかく、会う人会う人凄い人ばかりなので世界にはこの分野で凄い研究している人がたくさんいるんだなぁと思いました。でも冷静に考えると全世界から155人しか来てないんですよね…。色々な分野の人が集結してとても熱い集まりでした。



9/9午前

Curved Fold(曲線折り)に関する発表のセッションを主に聴講した。多くの発表者は自身がアーティストとして曲線折りに取り組んでいた。数学的な観点からもいくつか発表があったが、個別のパターンに限定されたものが多く、より一般的な数理的研究の発展はまだこれからだということが分かった。展開可能曲面の話とダイレクトに関係しているので少し展開可能曲面を勉強しなおさなくては…。前川さんのフォーチュンクッキー論、質問でも「このパターンに対応するクッキーがありますよ」情報が出て面白かった。
こちらのセッション終わった後違うセッションのBalkcom氏のRobotic Origamiを聞きに行く。(http://www.cs.dartmouth.edu/~robotics/origami.html)この凄い人たちの一人はロボットで折紙を折る研究だけではなくて、剛体折紙のキネマティクスの研究もしている。後で、折紙のキネマティクスは解析的に求めることができる、と聞いてびっくり。理想的には線形時間で計算できるはず。論文見てたのに気付かなかった。

9/9午後

"Flexible Foldability"と題されたセッションを聴講。剛体折り可能性についての研究に加え、テンセグリティと吉村パターン(?)の関係性、折紙ロボットを使ったメディアアートなど多分野からの話が行われた。
このセッションの最後で"Rigid Origami Simulation"の発表をする。シミュレーションプログラムに関して聴衆の反応は非常に良かった。公開しないのかというような質問も受けた。GPLのライブラリ使ってるから公開=オープンソースになるので少し悩む。

9/9全体会

その1。イスラエル折紙センターのMiri Golanさんのorigametriaの講義。子供の幾何教育に折紙を使った事例についてのお話。ビデオに出てきた子供たちが「イィーチィバァァァァン」って叫んでたんだがどう言う意味なんでしょう。
その2。MITのErik Demaine氏のMathemagic of Origami。折紙の数理とその応用盛りだくさん。とても楽しい講義だった。数理の証明とかをガンガンやりつつ、その応用をまたパズルのように楽しみいろいろやっているのが凄いなぁと思う。とにかく凄い人です。

9/10午前

折紙を利用したステントや、エアバグの折りたたみ、膜の自然折りたたみなど主に工学分野における応用についての発表を聴講した。途中抜け出してRobert Lang氏のTree Makerの次なる発展について聞いてきたのだが、二つの重い内容が一つにまとまっていて詳細はわからなった。実用的な内容としては蛇腹対応が大きいと思う。より出来上がりの形が自然になるような工夫がなされている。

9/10午後

数理の裏番組でコンピュータツールのセッションを聴講した。折紙の折り操作を実行し折り図を作るソフトウェアがいくつかあり、三谷氏の折紙の重なりの表現と折紙キャプチャの話もこのセッションだった。いずれもレベルの高いソフトだがこの分野の人口が圧倒的に少ないので、本人が頑張って研究を続けないとなかなか実用レベルまで発展してくれないんではないかと思った。
このセッションでは"3D Origami Design by Tucking Molecule"を発表する。ひたすら不等式条件を並べる発表。ツールのセッションなのにツール自身は示すことが出来なかったのは残念。
最後数理のほうに行って見たらThomas Hullさんが声を裏返しながら平坦折りの数理トークショーをしていた。

おまけ:環状に生えるきのこと戯れる折紙者