六角形中庭

和風木造住宅の中心部に縁側にぐるっと囲まれた直径3メートル程度の正六角形の中庭がある。
その中心部にある木組のオブジェの軸線と住宅のグリッドの方向がわずかに一致していないので不思議に思っていると、案内してくれた住人が公園に置いてある遊具のようにして庭を回して見せてくれた。良く見ると庭には芝に隠された円形の境目があってターンテーブルのようになっていた。

夢は映像的・感覚的であり、覚醒時の思考では不可能な風景や体験の創造が行われる。現実で味わったことの無い新しい空間感覚を与えてくれることもある。しかし、そこで行われている創造は既存の記号的な要素による構成でしかない。言語まで抽象化される前の風景や物事を認識する時の概念を抽出したようなものが要素となって、その意外な組み合わせや配置のバリエーションによって新しい感覚を生じさせるのだろう。