なぜ偶然性を求めるのか

コマツさんの後半身から作る・その2 - fold/unfoldのおまけに触発されて。
逆説的でもあるのですが、幾何学的制限や紙が生み出す偶然のようなものは造形の可能性を広げるものだと考えています。例えば、白紙を与えられて「ここに好きな形を描きなさい」と言われても、よほどイマジネーションがない限り、既存の形とそれの組み合わせ、もしくはなんらかの解釈を与えることでしか形を描くことはできません。しかし折紙の角度制限システムや展開可能性、折りたたみ可能性といった幾何学から対話的に引き出される形は、創作者の想像力の限界を超えたものとなる可能性をもっています。
また、数理から一方的に導かれる形は創作の余地がありませんが、「紙の摂理」というのが対話的なやや緩い制限であるために何かをデザインすることが可能になるのです。